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「何も変わっていない」
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この1ヶ月間、重要なイベントが続いた。1月末のイラク国民会議選挙、2月初旬の先進国財務省・中央銀行総裁選挙(G7)、そして米ブッシュ大統領による一般教書・予算教書演説である。どれも現在、米国の深刻な構造問題である経常収支・財政収支の「双子の赤字」問題と拘っており、その内容次第では今後の米ドル相場に多大の影響を与えるかもしれないと大変注目されていた。
イベント後の為替相場は、ドルが全通貨に対して戻し気味の展開となっている。ドルが戻し始めた理由は、米大統領が今後4年間の任期中に財政赤字半減を公約したこと、米FRB議長がG7会議中に米経常赤字に関して一転して楽観的見通しを述べたこと、そして懸念されたイラク選挙も何とか成功裏に終え、将来の米軍早期撤退期待から財政赤字縮小の可能性が出てきたこと等による。
しかし、実質的には、米国の「双子の赤字」を緩和する具体的な対策が示されたわけではなく、その後の大方の論調にあるようにイベント前と「何も変わっていない」のである。今回の注目されたイベントの中で、米ドルを真にサポートする要因は見当たらない。構造的なドル安要因は依然として残っている。
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ドル高・円安要因の高まり
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強いてドル高要因を上げるならば、米国と海外との金利差である。資料1は日米の短期金利差とドル円の動きを、資料2は米欧の短期金利差とユーロドルの動きを示したものである。過去の経験則ではドル円は日米金利差の動きに1.5年〜2年ぐらい遅れて動くといわれており、特に金利差が3%以上開くとドル高圧力が高まる傾向にある。また、ユーロドルはドル円以上に金利差に強く影響を受けるといわれ、この1月に米国金利が欧州金利を超えた途端、昨年末まで異常に強かったユーロが急速に対ドルで下落してしまう結果となっている。
当社は、この2年間上記の金利差や景況感格差といった「循環要因」よりは、双子の赤字といった「構造要因」が為替市場へより影響を与えるとして一環して「ドル安」を主張してきたが、最近の為替相場の動きを見ているとそろそろドルの転換点、つまりドル高円安局面の始まりの予兆も感じ始めている。どの相場も同じだが、大きな相場の反転時には、「何も変わっていない」という意見の中で静かに逆方向へ動き出すのものだ。まだ相場が反転したと断定するには早いが、今は柔軟に対応する時期に差し掛かっている。
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*週刊レポート誌INVESTMENT第809号 2005年2月18日より |
| 第一投資顧問(株)
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